映画をめぐる美術

―マルセル・ブロータースから始める@momat、とてもよかった。


映画をめぐる美術―マルセル・ブロータースから始める


もちろん全体を通してとても楽しい企画だったのだけれど、
師の書「コモナリティーズ」に登場した田中功起さんの作品『ひとつの詩を五人の詩人が書く(最初の試み)』に見入ってしまった。
5人がぎこちなさと緊張感をもって、しかし大胆に詩をつくっていく様子がとても美しい映像で記録されているのだが、
「5人でひとつの詩をつくる」という<形式>のなかで次々とその<方法>が創出されていくさまがとても開かれていて心地がよい。
その自由な方法の創出が、実は「5人でひとつの詩をつくる」という<形式>の厳密さとシンプルさ
ー5人が詩人である(ある専門性を共有している)こと、その5人が円卓を椅子で取り囲むという配置、そしてそれを取り囲むカメラ用のレール、などー
故にあるようで、その鮮やかさにただただ感動しました。


そのセッション的な制作というあり方が、あわせて展示されている「地震のあとで―東北を思うIII」
大友さんのプロジェクトFUKUSHIMAのセッションの様子やChim↑Pom の作品ともどこかリンクしていて、
「つくること」とは何かと考えさせられた1日でした。
いずれもこの時代においてとても共感するムードをもったものばかりだったので、もう少しじっくりと掘り下げてみようと思います。


展示はいずれも6月1日まで、是非。


田中さんの作品のひとつ。
A Piano Played by Five Pianists at Once (First Attempt) with Japanese subtitle - 日本語字幕版


師の著。こちらもとてもおもしろかった。さっそく北本駅にまで足を運んだくらいです。

アトリエ・ワン コモナリティーズ ふるまいの生産

アトリエ・ワン コモナリティーズ ふるまいの生産