この旅は

ぼくがなぜあのような卒制をつくったかを自問する旅でもある。
そしてついに目の前に現れる参照の力強いファサードとシステマティックな内面。


が、それを軽々と超えてしまった PANTHEON /126 AD。
荘厳さもはたまた俗っぽさなんて言葉も軽々と飛び越えてしまう、完全無欠の頭上空間がつくるおおらかな空間。
自身の身体感覚が解放され建築いっぱいに充満させられたかのようなこの感覚こそ本当の「おおらかさ」なんじゃないか。


COLOSSEO /1C AD。建築のかたちが都市のかたちであることの強さにぼくはきっと魅かれ続ける。

よって生まれる非人間的スケール。

そしてそれを成立させる想像以上のシステマティックスペース。

PANTHEON、現れ方から既に化け物。

白い、というのがこの空間への最初の印象である。そのくらい光の粒が見えるかのようなのだ。

下で何が起きようともそれを受け入れる光。

FORO ROMANO。想像以上に読み解きが楽しい。

ATHENSと比べてとても理性的で人間的な配置。想像可能な世界がある。

SAN CARLO ALLE QUATTRO FONTANE, Francesco Borromini/1646。バロックの究極。

感動を達成すべくつくり込まれた世界。

そしてそれを実現するための都市との衝突。この2点が十二分に表現されている点でこれは素晴らしき建築の模範である。