とてもとても

よかった。こんなに素直に感動したのは久しぶりな気がしてとてもすがすがしす。


もうどんな映像をつくるのも可能であろうがそれでもアニメに魅せるっていう絶妙の線引きがなされた戦闘機シーンと、
アニメがもつ反復と反芻の力がそのままストーリーにまで被されてできたような世界観。
それがとてつもない緊張感をもって絡み合うことで積み上げられた静かなはずの感情が、はらりとだがどん底にまでこぼれ落とされてしまうクライマクス。
それらを可能にした伝統芸能としての完成度とそれにも抗おうとするつくり手の飽くなき熱意のふたつに、
ある芸術の現時点での最高到達点みたいなものを感じてひとり身震う。


こんなにも悲しく美しいラストシーンのせいで、ただただ素晴らしいと言い切れる映画にこんな屁理屈も言いたくなる。ぜひ高画質で。


スカイ・クロラ押井守, 2008。栗山千明の最後の叫びで全ての感情が崩れる落ちる感じがたまらない。