間髪

入れず、今度は旅行。そうだ、ポルトガル行こう。
krさん目指してまずはLISBON。ビバ6日間太陽の国。


スペインのよくわかんない空港でまずはスガヤと合流、そのまま同じ便に乗り夕方リスボン空港着。
リスボン初見はどこかギリシャに近いものを感じる。というか空港近くは郊外だからみんなこうなんだろうか。リアルユニテ。ひたすら団地団地。でも意外にこれがいい。
そうこうなんだかんだで暗くなるころユースについてムツオとも合流する。すでに限りない空腹。


krさんとの待ち合わせの地下鉄の駅がまずは、早くも名前を出しちゃっていいんでしょうかポルトガルの英雄アルヴァロ・シザ。
が、だれもが勉強不足で疑いつつのまなざし。それほどにかなりラフにつくってある印象なのである。
だけれども、やはりどんどん見ていくとかっこいい。
チューブ状の空間がひたすらに相関し合うだけなんだけれど、それが直角に交わらなかったり、
はたまた角に途中で止まるようにアーチが来たり、はたまたリスボンの地形を吸収するようにヴォールトが沿って我がSCHALENになったりと、
なにかこうアーチという数学美が都市のコンテクストによってねじれたりやぶれたりしているというエキサイティングさ。
白のタイルばりがそれをより強調していきなりシザ先生のセンスに度肝抜かれる。これは期待大である。


そして我らが東工大ボーイ&ガールの永遠のねえさんkrさん登場。変わらない小ささそして明るさ。
「ちょっと見ていこうよ!」とこれまた変わらぬ声のお誘いで、今まさに近くでやっている野外ゴスペルをちょっとばかし拝見することに。さすがカトリック97%の国。
これがなかなかの迫力で、ピン・キー・ブルーのでーはーな照明のなか、まず教会のファサードに張り付くようにゴスペラーズが並び、
ひろばの真ん中に歌って踊れるマエストロ、その後ろに観客、そして5Mくらいあがった道路にも観客、もちろん周りを囲む建物のテラスにも観客。
高低差のあるリスボンならではのひろばのあり方に感心するとともに、卒制はこのスケールだったかとなぜか思い出し反省してしまう。
その後リスボン工科大に通うゴトウ似&アラカキ似(というか実際につながっている)の学生さんとも合流し、
「とにかく魚食べたいっす!」という内陸国から来たぼくをはじめとする3人の強い要望に応えレストラン探しに。


これがkrさんのガイドつき街歩きと化して非常にありがたい。
シザの集合住宅を見つけた日にゃ「あたしたまたま入ったことあるのよね!」なんとか言っちゃって、隙をついてガンガン進んでくれる始末。
念願の小豆型のシザ窓に早くも対面したかと思えば、当たり前のようにエレベーターに乗ってそして共用部までつっきり中庭へ。
V字のピロティで浮いたヴォリューム越しに地面を這うクローバーの緑、城壁跡の荒々しい褐色、そしてドンつきにテラテラしたブルーのタイル。
シザ言語その2である魚のエラのようなこれまた特徴的な窓がそのタイルにリズムをつける。
15分ばかしで退場し再び同じところに戻ってくれば、さっきいた中庭が実はあんなになくらいレベルの違うところにある、すさまじきリスボンの地形に最後はあっけ。


その後もなんでこんなふうに川もないところに橋が架かるように地形が折り重なんのなリスボンの街に驚きながら、
地震の話やバイシャ地区のグリッドの話、ポンバル公爵の話などをkrさんから学びつつも、ついにレストラン決定。
そしてkrさんおまかせで頼めば出るわ出るわの海の幸。
バカリャウというポルトガル名物の干しタラをはじめイカイワシ的な小魚にタイのような大きめの魚まで。
こいつらももちろんうまいが、付け合わせのジャガイモがなんでこんなにってくらいまたうまい。
食べ物がこれだけおいしければもちろん進んでしまうポルトワイン。


最後は「若者は行くんだって!」と少し危険な香り漂うアルファマ地区(だったか?)というところへ夜の一杯に。
バイシャ地区とは違う迷路のような細い通りがこれまた地形で強調されていて、これがなぜか酒はみんな外で飲むというポルトガル人の習慣も相まって、
交差点や飲み屋の前がさながら劇場のようになっている、まさに都市構造と人のふるまいがつくる素晴らしき現象。
ぼくらも郷に従い外でビールを煽りながらなぜか世代をまたいだアニメの話で盛り上がる。


そんないきなりの充実のポルトガル1日目。帰りのタクシーもびびうくらい安いやーん。


シザの駅(現地名がわからない...)。アズレージョの国ならではの素材感。

ゴスペルコンサート。カトリックって教会をピンクにできるんだ。

リスボンの街。車の進行方向を見てもらえば街の複雑さが分かります。車の運転すげぇうまい。

シザの集合住宅(これも名前がわからない...)。言われなければ分からないほどジェネリック

少しでも海に近づけば魚。うまいうえに考えられないくらい安い。

飲屋街を遠巻きに。人だかりは何かに並んでる訳でもなく、ただこうして飲んでいるんです。