ビートルズ

の国に来たからにはということで今日は観光チックに ABBEY ROAD から。


今日も相変わらずの交通機関ストップだが、親父世代の喜ぶ写真を撮るためなかなかの道のりをひたすら歩く。
そうすること1時間近く、ついにあのオサレ標識に''ABBEY RORD''の文字。そして見える白いスタジオ。
昨日のAA同様「これジョンが触ったドアノブだぜ」とかバカになって何でも触る。
そしてついに横断歩道の前でカメラにおさめたジャケ写を見ながらそれぞれの位置とポーズを確認し、いざ撮影。ちなみにぼくはジョン。
が、クリスマスも明けなかなか車通りが多く、しかもちょうど4人しかおらずでさすがにカメラを道路の真ん中に置く訳にもいかずでしどろもどろ。
とそこに幸運にも優しげな30代くらいの日本人カップル。すごいいい人で元気よく撮って頂く、感謝感謝。
その方々のエキストラに女子2人を差し出しお返しもキッチリ。
その後どどどっと日本人観光客の軍団。日本人のこういうところは嫌いじゃない。


そんな感じで観光チックにゆるゆる進む建築巡り。続いては LONDON ZOO 。
まずはお目当ての PENGUIN POOL (Berthold Lubetkin+ARUP)を見にいくももう役目を終えていて悲しい雰囲気。
相当楽しい状態を想像していたのでガッカリ度も一入。
もの自体は非常に軽やかなのだがこの状態を目の前にしてはそれが故にと思わずにはいられない。
廃墟になったとき突然輝きをもつ建物もあればそうじゃないものももちろんあるんだから建築って深い。
その他サクサクと他の動物もついでに見て回ったがゴリラのとこもLubetkinが手掛けていたんだとか。
それにしても高校の修学旅行のとき円山動物園で見たゴリラ以上のゴリラが出てこない限りぼくの中での動物園1位はまだまだ揺るぎそうにない。
ヤツの桁外れの大きさと藻岩山からの夜景は札幌で真っ先に見るべきものだ。


中心部に戻りましてお次は LONDON BRIDGE 周辺。
このLONDON BRIDGEが渡ってるのも気づかないくらい地味なのは向かいの TOWER BRIDGE のせい。そのくらいかっこよい土木と建築の融合。
なんたって塔からどーんて橋が2本伸びてしかも下のはぐいーんて開くんだから。もう新しいってこういうことですか。
融合ったってっていうくらい実は無造作に橋が刺さってるようにも見えるんだけどそこがまた無骨でよい。思い切りが出てる。
ここでもクラシック&メカニックでぼくの勝手な英国のイメージがさらに膨らむ。


そんなふうにして橋を行ったり来たりしたところでネクスト LONDON CITY HALL 。またもフォスター。
この外観が惜しくも頂けない。
予想以上に低いのである。ドームにもタワーにも見えない少し不気味なプロポーション。見る角度、特に川側とか結構致命的なんじゃないか。
内部の写真がかなりよさげなのでそちらから決めたのだろうが、「内部がこうだから外はこう」の限界を見ているよう。
外・内両者のいがみ合いや摩擦みたいなものがやっぱりなきゃダメなこともあるんだろう。
特にこういう都市の公共的な建築物にはそれが必要な気がする。のにそういうのがとりわけ少ない気もする。なかなか難しい問題。
にしてもフォスターはらせんが好きなのですね。そいえばライヒスタークも。


こんな感じでなかなかテンション上げれずの1日だったが最後は決めたい。そして挑んだ LABAN CENTRE 、H&deM。
これが、かなりあげあげである。
敷地はドッグランズ方面、まだまだ建物がまばらで少し危険な香りもするような最開発地区。
そこに、LONDONらしい大きなマッスの建物がLONDONらしくない軽さで建っているという衝撃。
LONDONのヴォリューム感をそのままキープしているところであくまで残っている''らしさ''。その上での''らしくなさ''。
これがこの再開発というエリアで何ともしっくりきているのだ。まさにニューLONDONって叫びたくなる感じなのである。
それを演出するのは多摩美ヴォリュームがつくる滑らかな凹曲面と、そして透明とカラフルな半透明でできたファサード
これがもう夕陽を帯びて溶ける溶ける。ヴォリュームが空に向かってほんとに溶けてるみたいなのだ。これが軽さの所以。
絶妙なカラーリング、絶妙なディテール。ファサードの隅々が建築の全体性に対して機能していく。
透明度で表現された窓という建築の要素は、それが残っていることでLONDONヴォリュームをキープしているようにも見える。いわばものさし。
こうじゃなかったらきっとただのでかいガラスの塊でヴォリュームもLONDONもくそもない。
ランドスケープも見事でプラダ青山のような人工的な緑の凹凸がとても美しく、これまた再開発チック性を帯びている。
相変わらず中は入れずだが外だけでこれだけ満足させてくれるのはさすがH&deM、ファサードキング恐るべし。
遠くから眺めればなんと寄棟。ことごとくただの箱に成り下がることを避けている。


すっかり暗くなってしまったので MILLENNIUM DOME は車窓からだけにしあとは散り散りになってショッピン。
30分くらいでここだと目をつけたお店で、1時間近く待たされるもなんとかスニーカーをゲット。
小学校の配膳エレベータみたいなのが倉庫とショップをつないでいて、無線連絡でがんがん靴をさばくようなシステムがおもしろす。


夜は''うまくないロンドン''とかこつけて日本料理屋へ。久々の一番搾りがうまい。


ABBEY ROAD STUDIO。なんかここの落書きはビートルズ愛がありそうで憎めない。

つまらない日本人観光客ですみません。離れすぎが悔しい。

役目を終えたペンギンプール。悲しげ。

TOWER BRIDGE、どーん。

ひさびさに使徒が。むしろ使徒が構造に近いんじゃないかと思えてきた。

市庁舎。うーん、少し太いです。

フィッシュ&チップス4者4様。かわらず粘土つき。

出たラバン。クレーンとともに。

そらもう溶ける溶ける。

背中だって負けじと溶ける。

緑のステージ。建築に負けてないかっこよさ。

この前に建つ建物との関係がもっともな見どころのように思う。20世紀と21世紀みたいな。

久しぶりのジャパン。あとはもう少しうまいラーメンが食べたい。