おふらんす

地方にさくっと小旅行に行く。晴れまくりの1週間をだらだらと逃していしまいあいにくの雨。
雨の旅はどこか憂鬱。


まずはLAUSANNE。我らがSANAA、 ROLEX LEARNING CENTER の現場見学へ。
現場見学と行っても残念ながら日曜で完全に現場も学校も休みの不気味なEPFLをカメラ片手にふらふら。
と、敷地の最も奥にプレハブ小屋に隠れるようにあのうねうねが顔を出す。
と言ってもそれほどうねうねしているように感じないのは想像以上にふくらみが不自然な感じになってしまっているからだろうか。
直線から気持ちぷくっとふくらんでいるようにしかこの視点では感じられない。
悔しいくらいに工事用の囲いとガラスを覆う膜に視界を遮られつつも、裏に回ると徐々に想像していたくらいの大らかな曲線が出てくる。
まだ床だけしかコンクリートを打ってないような状態で、その厚みもところどころ違っているせいか妙に生々しい。
が一方で雑に組まれたような屋根の仮の骨組みのようなものがとても軽やかでもある。
屋根がかかったときどうなるのか、そんな夏への期待を胸にあとにする。


そして次はもうフランスなんじゃないかってくらいのGENEVE。
今回の旅はここがメイン、CENTRE D'ART CONTEMPORAIN GENEVEにて行われているバウワウの展示が見たいのだ。


それなりの観光らしい観光をしたのちに辿り着いた美術館は、どうやら工場のようなものを改造したらしくこれがなかなかかっこよさげの空間。
そっけない表情のファサードをくぐれば、本当に工場の中庭そのままなような空間にたくさんのギャラリーが入り込んでいるってな感じ。
学校(?)やアーティストのアトリエみたいなものも入っていて、スイス版みなとみらいというところか。
ということでまずはバウワウの展示が行われている''BETWEEN ART AND LIFE Performativity in Japanese Art''展を見る。
さすが建築家というくらいに誰よりも思う存分に空間を使ったバウワウの展示、''Alpinisme''。
師の話によれば富士山を模したというコンターが、床の黒いブリックから盛り上がったようなものとしてデフォルメされたこの作品。
リノベーションなせいかこの床のブリックがリアルにガッタガタなので、かなりしっくりきた建ち方に見える。
そして何より柱を一部食ってしまっているのがいい。溶岩が流れ出てきたみたいだ。
一通り眺めたうえで次は登ってみる。と、これがなかなかに険しい。
コンターと言えど階段よりも踏面が遥かに小さい段差。
これが実際の山登りのような険しさをつくっていて、気をつけないとマジで転げ落ちるんじゃないかってくらいなのだ。
ぼくが登れば今度は小さな兄弟も登ってきて、いっしょになって恐る恐る噴火口を覗き込む。
と、グツグツ煮えるトマトソース、の映像。...メガシュール。
その映像に10分以上もかじりついて離れないその兄弟の姿がとても印象に残る。
VENEZIAにつづき2度目の海外バウワウ展示体験だったが、これほど人が振る舞いはじめるのを待望するアートってのもなかなかないなぁなんて思う。
これ以外では泉太郎の蠅たたきならぬ人間たたきのムービーがおもしろす。


ついでに隣りのギャラリーでやっていた''Sylvie Fleury''展も拝見。
シャネルモバイルアートで出展もしてたようなので知ってる人は知ってると思いますが、かなりかっこよいですカノジョ。
ずらっと雑誌の表紙が拡大されたものが並ぶ部屋なんかは、ポスター好きのぼくにはサイコー。
とにかく空間に対して作品が多すぎるくらい多いのだが、それが全く堅苦しくなく心地よいのがなんともスーパーマーケット的。
消費ってものをバックに持ってるだけあります。


かなりインドアな旅行だったが日が沈むのが早い冬にはこういうのも悪くない。


まずはスイス一美しい教会らしい、LAUSANNEのKATHEDRALE。確かにスイスのなかではなかなかこういう教会には出会えません。

SANAAの現場はこれで2度目。まずはこの視点と出会う。

どんどん沿って歩きます。だんだんと浮き上がってくる建築。

そしてこれが開けた空き地に面する裏側。想像以上に空間をしめるヴォイド。シリンダーらしきものも見える。

もいっちょ。今秋には完成らしいです。

そしてGENEVEへ。まずはKATHEDRALE ST. PETERからの眺め。大噴水。

このカテドラルの塔への道がかなり楽しい。ハウルみたいな階段があったり。

ぶれぶれですがダブル出窓。気持ちよいです。

GENEVEで見つけたグッドアーキテクチュア。何かの本で見た記憶があるので有名なはずですが...

階段室の吹き抜けはこんな感じ。クール。

そしてAtelier Bow-Wow、''Alpinisme''。

見上げてみる。デジタルな等高線。

今度は視線を下に。床との関係。

登る子供たち。噴火口に興味津々。向こうに見えるのはこのバウワウの作品にとっても重要なヨーコ・オノの作品。

その目線の先には。この穴を見ても分かる通り、実はスーパーキャンチでかなり建築的。どうやってくっついてんだ。

Sylvie Fleury展。うーん、オサレ。ただ雑誌の表紙のようで実はなかなかでかいです。

ディス イズ ベスト ワーク。ほぼ全ての部屋に貼られたこの壁紙の意味がここに集約。女性なのに分かってます。