スイスらしい

スイスを案内する今日はGRAUBUNDEN。まだ自分も行ったことのないZERNEZ&DAVOS。


まず、オルジアティの実作のなかでも変態的な思考が反映されてそうなものとして期待して行った NATIONALPARKZENTRUM IN ZERNEZ。
あのシンプルな平面で想像以上に複雑な空間が空間が実現されていると感じさせるさまざまなかたち。
その平面は美術館というプログラムに対して動線的にも応えていて感動というより納得の建築になっている。
が、そんなことを無にするほどの展示がすごい。
オルジアティ建築におけるこうした状況を度々目の当たりにすると、
本当に彼の建築特有の重々しさみたいなものはこういった小さなアート空間に必要なのかと思ってしまう悲しい転倒が自分のなかで起きる。


ジゴンゴヤの代表作である KIRCHNER MUSEUM /1992の構成は、黒犬荘や金沢21世紀美術館など、
今ではありきたりなものになってしまったものだけれど、全くそうした古さを感じさせない素晴らしい精度でできている。
しっかりと中をつくっているというのがとてもスイス的で自然と好感が持てるモテ建築である。
が、それを超えてよかったのが SPORTZENTRUM /1996。
あっけらかんとしたその立ち振る舞いは簡単で即物的でとても現代的だ。
こういう簡単な建築をつくりたい。


電車で聴くJORNEYが最高。


NATIONALPARKZENTRUM 。あいかわらず重い。

のっけてのっけて。

このへんまではドキドキ。まさに彼の表現の世界が実際に起きようとしている。

が、ごーん。

KIRCHNER MUSEUM。偶然開館が早まっていてなんとか入れる。

表層に寄ってみる。寄っても何か焦点が合わない。

敷地を見ると納得の変な平面のかたち。

内部。余剰ではなくしっかりと対置するものとしてつくられる非展示室部分。

お得意のトイレ。

SPORTZENTRUM。単純な2層構成。

それにリズムを与える片持ち梁のこのかたち。ほぼたったこれだけなんだけどそれがよい。